デザインが仕上がりを左右する

顔と頭髪は、絵画と額縁(フレーム)の関係

頭髪は顔を絵画に例えると額縁(フレーム)の役割を果たすものです。すなわち、どのような名画であっても額縁の一部が欠けているとアンバランスな印象を与えてしまうでしょう。ですから植毛術はFace Reframing Surgery(顔のフレームを作りなおす手術)と呼ばれることもあるほどです。

植毛術の様々な呼称
ヘア・トランスプランテーション
Hair Transplantation Surgery
毛髪移植手術

ヘア・リプレースメント
Hair Replacement Surgery
毛髪の場所を置き換える手術

フェイス・リフレーミング
Face Reframing Surgery
顔のフレームを作りなおす手術

ヘア・リストレーション
Hair Restoration Surgery
毛髪の再建手術
頭髪は顔を絵画に例えると額縁の役割

前頭部が最重要

人間の顔の印象は前頭部の印象で決まるとも言えます。たとえ広範囲の植毛をする際でも前頭部のデザインが最重要となり、まず初めは前頭部の手術から行うことが大切になります。その際に、中央部分の毛の密度を上げることがより効果的な結果が得られることもポイントです。

生え際の位置は、年齢や将来を考えてデザインすることが自然に仕上げるコツ

額の広さは年齢にともなって広くなっていくものです。薄毛治療にとって、この額の広さが非常に重要なポイントになります。額の広くなった 50 代男性が「髪はフサフサあった方がいい」と昔の生え際のところまで植毛で毛を増やしたらどうなるでしょう。それは 20 代の頃の生え際になってしまうのです。これは不自然です。同年輩の方で、そこまで毛がある人がいるでしょうか。しかも、一度移植した毛はずっとそこで生き続けるので、 60 代になっても 70 代になっても、生え際は変わらないのです。つまり、ヘアライン(生え際)のデザインは将来の変化も考えて、生まれながらのものよりも上のほうでデザインすることが望ましいと言えます。

※最近おでこが広くなったなぁと思っている方、あなたの昔の額の広さが簡単にわかる方法があります。 眉毛を上げてみて下さい。額にシワができるでしょう。そのシワができるところが額で、シワができないところが頭ということになります。言い換えると、その境目が、昔、毛がフサフサあった頃の生え際ということになります。植毛に関していうと額には植毛できません。つまり植毛が可能なのはシワの境目から上ということになります。

頭頂部は将来、歳を取った時の変化まで考慮する

頭頂部への植毛は、男性型脱毛が進行性であるため、植毛後更に移植部周囲に広がる可能性を考慮したデザインが必要です。特に、つむじより後ろは毛が後ろに流れているため、毛が増えたように見せることが難しくなります。頭頂部は、脱毛の進行具合を予測しながら慎重なデザインを施します。このデザインこそが生毛植毛において最も重要な要素で、頭頂部も手術の傷跡が目立たないFUTによるSingle&Bundle hairで行う理由でもあり、術者の経験が問われることになります。初期の段階であれば、内服薬や外用薬を処方したりして、慎重に手術の必要性を判断することが重要です。

図2

将来このようになる可能性もあるので手術は慎重に

採取する毛量には限りがあるから、計画を立てて効率良く

2度3度と繰り返して満足できる状態までもっていく自毛植毛の場合、側頭部と後頭部から植える毛髪を採取しますが、その毛量には限りがあります。自毛を取って別の場所へ移すので、毛髪の総数は変わりません。ですから、どこを重点的にやれば自然にボリュームアップできるか、これから数年後にはどこの部分の脱毛が進んでいくのかなど。毛髪の質や量はもちろん、将来の変化も考えに入れてデザインや、ご予算を含めたトータルデザインを計画し、効率良い方法を模索していかなければならないのです。

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